コンサル流思考術<思考力>

 

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こんにちは、tomovlogのtomoです。

 

今回は前回の内容に続き、コンサルタントの思考力について話していきます。

 

今回の内容も、コンサルタントの思考のエッセンスとなる部分です。

 

1.雲雨傘の基本 

2.仮説思考

 

1.雲雨傘の基本

これは「事実」と「解釈」と「アクション」を区別するための方法です。

 

(事実)「空を見てみると、雲が出ている」

(解釈)「曇っているから、雨が降りそうだ」

(アクション)「雨が降りそうだから、傘を持っていこう」

 

これをビジネスで活用するには、この三点を混同させることや、省略することなく

三つを区別し、すべて盛り込むことで筋の通った提案、会話ができます。

 

ここでよくある失敗を紹介します。

①「雲」だけで提出してしまう。

例えば上司から調べものを依頼された際、データや事例、グラフのみをコピペして

提出してしまうことがこれにあたります。

これがダメな理由は、自分なりの解釈がなかったからです。

雲雨傘でいうと、単に「雲」のみを提出したことになり不親切です。

 

病院に行って血液検査を受けて、医者からアラニントランスアミナーゼ、へマトリックス、GGT値は、、、、これが結果ですと言われても何が悪いのか分からないですよね。

事実だけのレポートを提出するのはこんな感じです。

大切なのは「だから何なのか」という解釈です。

ビジネスでも同様にだから何なのかという解釈がないと役に立ちません。

 

②根拠を示していない

次に多いのが、「アクション」だけを行ってしまうことです。

単にアクションだけ起こされてもなぜそうなるのか、ということが分かりません。

何かを提案する時は、アクションだけを提案してもダメです。もとになる事実と解釈もセットで伝えなければなりません。

 

(事実、解釈)血糖値が基準値以上で糖尿病の可能性があるから

(アクション)この薬を飲んだ方がいい

 

③事実や意見、解釈との混同

最後は何が事実で、なにが解釈で、なにがアクションなのか、混沌としたまま報告してしまうことです。

 

例えば「お客様は低価格なものを求めていると思います」という意見。

これは客観的な消費データに基づくものなのか、そうじゃないかという自分の意見

なのか、それとも最近のトレンドなのか、さっぱり分かりません。

 

 

事実、解釈、アクションの区別を明確にし

「なぜそうなるのか」、「だから何」への答えを明確にする必要があります。

これはロジカルシンキングの基本となる部分です。

このスキルを身に付けるには、見出しを付けることが効果的です。

 

何か文章を書く時に、(事実)(わたしの解釈)(推奨アクション)

というように見出しを付けることで頭の中が整理されます。

 

2.仮説思考

仮説思考ありき、これはコンサルタントの思考法の中でも最も重要な特徴の一つだと言えます。

 

一般的に何かの結論を出すときには、網羅的に調査する方法をとります。

しかし、うまくいかないことも多々あります。

それはこの方法だと議論が拡散したり、不必要な調査に時間を要してしまい、

データ量が現実的でないほど膨大になることがあるからです。これは非効率的です。

 

この状況を解決するのが「仮説ありき」の思考法です。

このやり方では、いまできる範囲でストーリーを立ててしまいます。

間違っていてもいいので、「こうなるのではないか」と仮説を立て、それに沿った

ストーリーを考えていきます。

 

推理小説でも、犯人は誰か?凶器は?動機は?犯人像は?など考えたことがあると

思います。この一連の推理こそまさに「仮説」です。

事件捜査はしらみつぶしに行われているわけではなく、怪しそうなところから

重点的に調査を行っています。

「遺体を山に捨てたなら、車を借りたはずだ。車を借りたならレンタカー会社の履歴

に残っているはずだ」といった具合に、捜査を進めていきます。

 

ビジネスでも、「あの商品が高価格にも関らず人気なのは、一定の富裕層にターゲットを絞っているからではないか」とった仮説を立て、それに沿って調査を進めます。

 

あらかじめ仮説を持つことで、効率的なリサーチを行える。

 むやみにリサーチを行うのではなく、仮説を持ってリサーチを行う必要があります。

 

仮説を検証する作業としてリサーチを行う

 仮説を調べるにしても、「本当に高価格帯の商品が売れているのか?売れているとすればどういう属性か?それはどういう要因なのか?」を増えているという仮説の

もと考えていきます。

 

「確かに高価格帯の商品は売れていますが、地域によって差があります。」あるいは

「40.50代の購入者が増加しており、ターゲットとしては中高年の顧客がなぜ増えたのか」と仮説の方が正しそうなど、仮説を否定する場合もあります。

 

仮説が正しかったのならより深くその方向で進めていくべきですし、

間違っていたのなら仮説を修正していく必要があります。

いずれもリサーチは仮説に対する検証です、リサーチは仮説に対する検証を示すもの

 と覚えていてください。

 

仮説思考で意思決定のスピードを速める

仮説思考が身に付くと意思決定のスピードが速くなります。

それは仮説思考がない人は、問題をもちかけられてから考え始めるのに対して

仮説思考をもつ人はその時すでに検討が終わっていて結論は出ているからです。

 

意思決定が速いことで有名なソフトバンク孫正義さんも仮説思考をもっているから

こそ素早い意思決定ができると考えています。

例えば目の前に1000億円の買収案件が持ち出された際、

もちろん即決は出来ないですよね。

「今から検討を始めるので3か月ほど待ってください」と言うのがせいぜいでしょう。

 

しかしおそらく、孫さんなら既に頭の中に買収企業の候補や条件、いくらまでなら出せるという彼なりのリストが出来あがっているのではないでしょうか。

リストがあるということは、現時点で買収が持ちかけられたらどうするか

という問いの結論がすでにあるということです。

仮説を持つということは現時点での結論を持っておくということ。

 

<仮説思考の意思決定>

仮説を立てあらかじめ結論を持っておく

→現実が起こる

→仮説に沿って行動する

<行き当たりばったりの意思決定>

現実が起こる

→あわててどうするか考える

→対応が遅れ、満足な意思決定ができない

 

以上が今回のセッションの内容です。重要な要素なのでぜひ身に付けるようにしてください。

参考にテキストを掲載しておきます。

 

コンサル一年目が学ぶこと

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